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カウンセリングルームセンター南ロゴ 心理相談・女性の悩み編

今回は、女性の悩みは、その時に大きく占めているアイデンティティ、つまり「自分が何者であるか」という役割によって異なるというお話です。男性に当てはまらないというわけではないのですが、どちらかと言えば女性の方が典型的なケースが多いという風に捉えていただければと思います。

女性と一言で言っても、実は年代に合わせていろんな呼び方があります。思いつくところでは、「女の子」「女子」「女性」「嫁」「妻」「奥さん(奥様)」「かみさん」「お母さん」「おばちゃん」「おばあちゃん」などでしょう(余談ですが、たまにカウンセリングの中で、自分の奥さんのことを「ワイフ」と呼ぶ男性がいらっしゃって、その時はなんだか聞き慣れなくて戸惑ってしまうことがあります)。

さて、こうした呼び方の違いは何を表しているかというと、その時々の女性の役割を表していることが多いわけです。それらを大きく分けると大体、「娘として」「女として」「妻として」「母として」のアイデンティティの4つに分けられます。そこに、最も根源的で永続的な「人として」というアイデンティティを加えさせていただくと、女性の人生は以下のように左から右へと役割が変わっていく流れをたどることも多いのではないでしょうか。もちろん、生涯独身の方もいますし、お子様のいない方等もいるので、全ての女性に当てはまるわけではありません。

人 ⇒ 娘 ⇒ 女 ⇒ 妻 ⇒ 母 ⇒ 妻 ⇒ 女 ⇒ 娘 ⇒ 人

この流れでは、母というアイデンティティを中心として折り返していきます。役割を獲得していく往路、役割を喪失していく復路と言うとわかりやすいでしょうか。むしろ、以下のように人を土台として頂点に母がある5層の積み木があると考えたほうがわかりやすいかもしれませんね。下から積み上げていって、いずれ上から下ろしていくイメージです。
母というアイデンティティ
妻というアイデンティティ
女というアイデンティティ
娘というアイデンティティ
人というアイデンティティ

カウンセリングをしていると、女性の悩みは、こうした各段階に結び付いている場合が比較的多くみられるように感じています。必ずしも言い切れるわけではありませんが、各段階でどのような悩みを持ちやすいのか挙げてみたいと思います。

「人というアイデンティティ」1回目
この段階は、仮に男女の役割の違いをあまり意識しない10代以前と考えると、それほどアイデンティティにまつわる悩みはないように思います。

「娘というアイデンティティ」1回目
この段階では「女の子らしくしなさい」と言われたりして、「女の子」という役割に縛られ始め、苛立ちを覚えることがあるようです。また、親からも制限される行動が増えるために家庭への不満が強く出たりする時期と言えます。いわゆる「プチ家出」を行う時期でもあります。

「女というアイデンティティ」1回目
この段階では成人もしたし、家を出ている場合もあり、娘というアイデンティティからは解放されます。一方、社会での自分の在り方や、恋愛関係等で性差にまつわることに悩んだりすることが多いようです。

「妻というアイデンティティ」1回目
この段階では配偶者を得たということで、女というアイデンティティからは解放されます。一方で、夫の家族との付き合いが始まったり、夫を男性として見ることができなかったり、夫から女性として見てもらえない等、夫にまつわることで悩んだりする場合があるようです。

「母というアイデンティティ」折り返し地点/長期間
この段階では子どもが生まれて夫のことは二の次になるので、妻というアイデンティティからは解放されます。一方で、夫が協力してくれなくて一人で子育てに奮闘し、母親として自分はちゃんとできているだろうか等、不安を抱えていたりするようです。また、「○○ちゃんのママ」という呼ばれ方をする時期に始まり、その後、子育ては20年程続くので、母というアイデンティティは強固に長続きします。しかし、子どもが成人し自立してしまうと、母としての役割が突然大きく減ってしまいます。すると、自分が何をしたらいいのかわからなくなり戸惑ったり、うつっぽくなったり、いわゆる更年期障害が重なったりして悩まれることも多いようです。

「妻というアイデンティティ」2回目
子どもが自立して、母というアイデンティティが弱くなると、再び妻としてのアイデンティティが出現するようです。夫婦が良い関係の場合は、夫婦で旅行に行ったりすることもできますが、一方で、以前は見て見ぬ振りができたはずの夫の問題や、夫との関係の不和に直面しなくてはならず悩むことも多いようです。むしろ、解決を先送りしていたことで、問題はこじれてしまっていることもあります。

「女というアイデンティティ」2回目
夫との関係がうまくいっていない、あるいは離婚という選択をした場合、妻というアイデンティティから女としてのアイデンティティに変わることがあるようです。冗談半分かもしれませんが、カウンセリングで多くの方が「女性としてもう一華咲かせたい」と話されます。明るく前向きな場合もありますが、「私は誰かの母でもなく、誰かの妻でもなく、一人の女性として見てもらいたい」という気持ちが強くなりすぎて悩まれてしまうこともあります。

「娘というアイデンティティ」2回目
親の介護に追われて忙しくなったりして、娘としてのアイデンティティに悩まれてしまうこともあります。あるいは、現状がうまくいっていない場合には、自分が人生を楽しめなかったのは親の育て方のせいだという思いに囚われてしまうこともあります。

「人というアイデンティティ」2回目
この年代では、すでに親は他界し、もしかすると夫にも先立たれていることがあります。今後自分がどう生きていくかということを考えたり、人生を振り返るという作業をすることはなかなか大変なもので、子どもや孫に過度に干渉して祖母というアイデンティティを作り出してしまうかもしれません。あまりにそれが強い場合には、孫に疎ましがられて寂しさを感じてしまったり、娘や息子の嫁からの仕打ちに悩んだりすることがあります。

このように、女性はその時のアイデンティティの違いで悩みも変わってくるということがカウンセリングの場では多く語られますがいかがでしょうか。むしろ、上記のように悩めたらまだ幸せな方かもしれません。実際には、こんな風に段階的に移行していかないことの方が多いものです。特に問題となるのは、複数のアイデンティティが重なっている場合や時期にそぐわないアイデンティティを持たないといけない場合、一つのアイデンティティに縛られてしまう場合などです。

例えば、すでに成人しているのに親が過保護に子ども扱いし続けたり、子育ての時期に、夫が「子どものことばかりではなく、自分もかまって欲しい」と甘えてくる場合などは、自身のアイデンティティの移行の邪魔をされているように感じて悩まれたりします。「私はあなたの母親じゃない!」と夫に言いたくなったことは、誰にでもあるのではないでしょうか。また、年齢的には娘というアイデンティティが形成される時期なのに、早期に母が亡くなってしまったり両親が離婚してしまって、10代の内に妻や母という役割をこなさなくてはならない場合は、娘として親に甘えるという経験が少なすぎて我慢ばかりしてしまう人に成長してしまうかもしれません。その他、夫の親の介護をしなくてはいけないのに夫が浮気をしている、その上、子どもが家出してしまったなどと問題が重ねて起きて、一体どうしたらよいのか訳が分からなくなってしまったという人もカウンセリングには多くいらっしゃられます。

アイデンティティが混乱している方の話は、「主語がわかりにくい」という特徴があるような気がします。母という立場からなのか、妻という立場からなのか、女としてか、娘としてか、それとも人としてなのか、それらが混ざると話が非常にわかりづらいのです。今さっき、母として子どもについての悩みを話していたかと思うと、それに重ねて「姑もね・・・」なんて妻(嫁)という立場から愚痴話になったりします。「もう私はどうやって生きていったらいいのかわかりません」と泣き崩れてしまったりもします。

そういう時に大事なのは、いくつもの役割に押しつぶされそうなんだなということを共感的に理解することと、本人が気づいていない重なっている役割を解きほぐしていくということだと個人的には思っています。たまに、「母としても妻としても女としても娘としても人としても素晴らしくありたい!」と欲張りな方もいらっしゃいますが、カウンセリングでそんな風にして欲しいと言われてもとても力が及びません。

カウンセリングでは、自分がどのアイデンティティの段階にいると思っていたのか、実際にはどのアイデンティティの段階にいるのか、それが一致していたのかズレていたのか等といったことをカウンセラーとの対話を通して考えていきます。そうすることで、「あぁ、自分はこのアイデンティティを大切にしていたんだな」とか「本当はこうなりたいんだな」と気づくことができたりします。そして、自分の中の優先順位に従って、抱えている問題に順番に取り組んでいけるようになります。その過程では仕方なく何かを諦めたり犠牲にしたりしなくてはならないことも多いのですが、結局、そうして取捨選択ができるようになることで「どうしたらいいかわからない」とおっしゃることがなくなって、ある程度開き直って行動できるようになり、カウンセリングを卒業していかれることが多いような気がします。

長くなりましたが、女性の悩みはこんなに長くなるほどいろいろあるということですね。むしろ、これでも書き足りませんが、最後まで読んでくださった方の一助となれば幸いです。また、よろしければカウンセリングに足を運ばれることも願っています。

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